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[台東区 訪問看護]

2023年02月02日

トラベルナースに見る労働生産性の向上

 テレビ放送では昨年末に終了したテレビ朝日系木曜ドラマ「トラベルナース」、また見たくなって見てしまいました。私はリハビリ職ながらも、静さん(中井貴一さん)のナイチンゲール語録に諭され、たまに出る広島弁に憧れ、歩ちゃん(岡田将生さん)の時折のコミカルさに笑い、二人の歴史の重みに彩られた最終回の空港のシーンに胸をもっていかれました。

 当ドラマでの歩ちゃんはプライドの高い有能な看護師として描かれ、「ナースプラクティショナー(米国NP)」の資格を有しております。
 そして、この「NP」、日本においては「診療看護師」として現在国家資格化が進められている日本看護協会の認定資格で、医師サイドに立ち診療を行い、医師からの直接指示により相対的医行為を実践でき、現在、全国で700名程いらっしゃいます。
 国は2025年までに10万人以上を目標に増やす方向で、医師の働きすぎ問題への一手として期待されております。

 このメリットは大きいものと思われ、医師の職務の一部をNP(仮称)に移管(タスクシフティング)することで、例えば、これにより生じた余剰時間により医師はコア業務(医師以外にできない業務)に専念できますし、また、医師業務過負荷がボトルネック工程の要因となっていた場合には業務遅滞も緩和されます。また、チームへのコミットメントが上がりチームワークも向上することで、質向上も期待できます。
 製造業でいえば「多能工化(マルチスキル化)による平準化」といったところでしょうか。
 ここで、「労働生産性=付加価値(成果)÷労働力(労働者数×労働時間)」の式にあてはめると、処理能力と質向上によって分子の付加価値(機能的価値や情緒的価値)は増加する一方で、人件費増大を抑制し機会費用は低減でき分母は増加しづらいので、結果として労働生産性は増大します。
 人材育成やチーム業務を俯瞰できるシステム構築浸透など、現実の課題はあるものと思われますが、このメリットはやはり大きく、増加する高齢化率、地域包括ケアシステムの推進、そして、医師の確保困難地域への対応等に有用なものであり、今後の日本の医療福祉業界において必要なものである、とトラベルナースに教えていただきました。

 深いドラマです。


(文:PT柳田)

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